Miyagawa Kozan Retrospective |
欧米を感嘆させた、明治の陶芸の名手。 |
没後100年 宮川香山展 |
「美術としてのやきものづくり」 そして 「日本固有の美の保存」 を追求し続けていた。 |
明治時代から大正時代を代表する陶芸家・宮川香山 (虎之助: 1842~1916) は、天保 13年 (1842)、京都の真葛ヶ原 (現在の京都市東山区円山公園一帯)
の陶工の家に生まれました。 幼少の頃より父・長造 (1797~1860) から陶器や磁器の製法を学び、万延元年 (1860) に家督を継ぎます。 |
本展では、約 50年にわたって当時日本に少なかった眞葛香山の作品を世界中から探し出しつつ、真葛香山研究を続けてこられた田邊哲人氏の、質・量ともに国内随一を誇る貴重なコレクションを中心に、平成 28年 (2016) に没後 100年を迎える宮川香山 (初代) の 「眞葛焼」 の全貌を紹介し、超絶技巧のやきものの魅力に迫ります。 高浮彫作品の目くるめく迫力、そして釉下彩の青磁などの吸い込まれそうなみずみずしさと優美な品格を、一挙にご堪能いただけるまたとない機会です。 |
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'2016 2_23 「没後100年 宮川香山」」 展のプレス内覧会の会場風景です。 |
「没後100年 宮川香山」展 |
欧米の博覧会で数々の受賞と絶賛を浴びた香山独特の 高浮彫 をお楽しみください
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「展示構成」 |
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「展示構成」 |
第1章 京都、虫明そして横浜へ |
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右端・1 《青華赤絵鳳凰図獅子鈕香炉》 一合 江戸時代末期~明治時代初期(19世紀中期) 総高 21.8cm 田邊哲人コレクション |
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・1 飛翔する鳳凰の赤絵を側面に、獅子形の鈕を載せた蓋付き、高脚の香炉。 京焼の父・眞葛長造のもとで修業し、19歳で家督を継いだ香山は、1866 (慶応 2)年には染付金襴手の煎茶器 50点を、朝廷への献上品として制作依頼されるほどの技量を備えた。 |
第2章 高浮彫の世界 |
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右端・28 《高浮彫葛ニ山鴫花瓶》 一口 明治時代前期 (19世紀後期) 高 39.0 口径 11.8cm 幅 21.4 底径 13.0 田邊哲人コレクション |
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・28 葛紅葉、色づいた葛の葉に山鴫が口遊み、他の一羽の山鴫は葛の原に佇む秋の情景で、羽根など精密に描かれた山鴫が高浮彫であらわされている。 これまでの工芸品の表現は文様が主で、写実的表現はあまりありませんでした。 「高浮彫」 で、香山がモチーフとした身近な自然、花鳥や昆虫の写実性が、海外の人を驚かせたのです。 |
第3章 華麗な釉下彩・釉彩の展開 |
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前・139 《高取釉高浮彫蟹花瓶》 大正 5年 (1916) 幅 40.8 x 36.3cm 田邊哲人コレクション (神奈川県立歴史博物館寄託) |
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・139 現在、日本で知られている蟹の作品 3点の内、最晩年の傑作で、口縁に貼り付く二匹の蟹をリアルに表現、甲羅の青緑にかかった斑点文様や、脚や節、爪先の青や赤も鮮やかで、大変高い技術を要する。 高浮彫と釉下彩の両技術を駆使した、香山こだわりの大作である。 |
「宮川香山と中国陶磁」 出川 哲朗 (大阪市立東洋陶磁美術館 館長) 「没後100年 宮川香山」図録からの抜粋文章です。 |
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横浜で開窯した 1870年(明治 3年) ごろからは、輸出用に装飾性の高い陶器を制作して華々しい成果をあげた。 1876年 (明治 9年)
フィラデルフィア万国博覧会で多数出品し、装飾陶器の部で受賞している。 その後、1877年 (明治 10年) 第1回内国勧業博覧会、1878年
(明治 11年) パリ万国博覧会、1879年 (明治 12年) シドニー万国博覧会、1880年 (明治 13年) メルボルン万国博覧会、1881年
(明治 14年) 第2回内国勧業博覧会、1883年 (明治 16年) アムステルダム万国博覧会、1888年 (明治 21年) バルセロナ万国博覧会と毎年のように、出品し受賞を重ねていった。
ヨーロッパではシノワズリーのあとを受けて、19世紀後半からの日本趣味 (ジャポネズリー) が流行していたころである。 シノワズリーは中国の輸出用の陶磁器をはじめとする工芸品や家具などによって、バロックからロココ時代にかけてヨーロッパの宮廷などで大流行したもので、装飾モチーフともなった。
しかし、日本趣味の流行とともに、「ジャポニズム」 と呼ばれる芸術作品がヨーロッパで生まれ、1867年 (慶応 3年) のパリ万国博覧会には浮世絵風の図柄のある食器がフランスのフェリックス・ブラックモンのデザインによる制作で出品され、ジャポニズムの陶器制作が流行している。
日本趣味は、それ以前にも伊万里の金襴手をさきがけとし、ヨーロッパ各地の窯や中国でも伊万里の倣製品も作られた。 19世紀半ばになり、浮世絵などに触発された絵画などが制作され、日本の陶磁器や漆器などに対する関心が高まっていった。… |
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「田邊哲人コレクション」 田邊氏は、昭和40年前半、20代の頃より香山の研究を始め、当時まだ日本には少なかった香山の作品を世界中から探し出し、実物の作品から研究を深めてこられた、香山研究の第一人者である。 香山のコレクションは初代香山が制作した作品や二代以降の作品、その関連作品等多岐にわたり、そのコレクションは千点以上にも及び、数多くの作品を比較、検討することによって香山の実態に迫ってきた。 中でも香山が横浜に移住してきた初期の頃に制作されたものである 「高浮彫」 の作品は、昭和時代までは日本で見ることは殆ど出来なかった作品であるが、これらの作品を積極的に海外から里帰りさせ、その代表的な作品を今回展示出来たことは、香山の全貌を知るためには重要なことである。 |
お問合せTel:03-3479-8600 |
参考資料:NEWS RELEASE No.sma0016、Newsletter vol.259、「没後100年 宮川香山」展 図録、他 |
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